刀剣、刀装具とは

【刀(かたな)】
室町時代前期(15世紀中頃)から江戸時代末期(19世紀中頃)まで盛行した武器の一種で、手に持って使う刃物のこと。 特に握る部分よりも刃の部分が長い刃物のことを指す。
腰に差して用いたもので打刀(うちがたな)ともいう。
美術館や博物館では刃を上にして飾ってある。

【剣(けん・つるぎ)】
刃長にかかわらず、左右対称に造られた両刃(もろは)の直刀(ちょくとう)のことをいう。
反りがなく、両面に刃がついているものは剣と呼ばれる。
茎(なかご)は短めのものが多く見られ、仏教の一つである密教における法具としても用いられ、神聖視される場合が多い。
※茎(なかご)…通常は柄(つか)に収まっており、刀身の中でも直接手を触れることが許されている部分。
目釘穴が穿たれており、これに目釘を差し込んで柄(つか)に固定する。
また刀工の銘などが刻され、柄(つか)から脱落しにくいように鑢(やすり)が掛けられている。

【太刀(たち)】
日本刀のうち刃長が約2尺(約60cm)以上で、太刀緒を用いて腰から下げるかたちで身につけて用いるものを指す。
刃を上向きにして腰に差す打刀(うちがたな)とは「銘」を切る位置が異なるが、例外も数多く存在する。
打刀(うちがたな)とは逆に美術館や博物館では刃を上にして飾ってある。
大太刀は刀の長さが3尺以上で長大、小太刀は2尺未満の比較的短寸な太刀である。太刀の長さは大太刀と小太刀の間で2尺以上3尺未満ほどである。

【直刀(ちょくとう)】
反り(曲がり)がなく真っ直ぐか、わずかに内反りになった刀のことで古墳時代から奈良時代にかけて盛行した。
刀身(とうしん)は、両面に鎬筋(しのぎすじ)を立てない平らな平造(ひらづくり)や、鎬(しのぎ)が刃方に寄っている切羽造(きりはづくり)となっている。
上代(奈良時代頃)に大陸から伝えられ、日本独自の発展を遂げて平造から切羽造へと変化した。上古刀がこれに相当する。
※鎬筋(しのぎすじ)…横手筋から茎尻(なかごじり)まで続く、平地と鎬地の境をなす線。

【脇差(わきざし・わきさし)】
短刀より長く刀より短く、太刀や刀の差添えとして用いられた刀。現在の法律では刃長が30cm以上60cm未満のものを脇差としている。江戸時代の武士階級は「大小」と称して、刀の予備として添えて指し、武士以外はこれの一本指しを護身用の道中差として用いていた。

【短刀】
脇差より短めの、長さが1尺(30.3cm)以下のもので、腰刀(こしがたな)とも呼ばれる。
平造(ひらづくり)のものが一般的であるが、剣のように左右両刃の両刃造(もろはづくり)のものや、重ねが極めて厚い鎧通(よろいどおし)など、さまざまな形態がある。
現在の法律では、刃長が30cmに満たないものを短刀としている。

【軍刀】
明治時代から第二次世界大戦中までに軍隊で用いるために製作された刀のことである。
日本古来の伝統的な鍛法により製作されたものと、昭和刀と呼ばれるものがある。

【槍(やり)】
長い柄の先端に刃物を装着した実用の長柄武器である。
先端の形状は、直線的な姿の直槍(じきやり)系と、直槍の途中に十字架状の枝刃をつけた十文字槍系に大別され、平三角(ひらさんかく)・十文字(じゅうもんじ)・両鎬(りょうしのぎ)・笹穂(ささほ)・片鎌(かたかま)など、さまざまな形態のものがあり、戦国時代の集団戦において主要な武器であった。

【薙刀(なぎなた)】
先反りが深く、物打(ものうち)辺りの身幅が広く、鋒(きっさき)の鋭い刀身を長柄の堅木の先端に装着して用いられた実践武具。
長さは1尺~2尺(約30~60cm)が一般的で、先端に向かうほど反りがつき、反り具合は時代によって変化が見られる。

【鍔(つば)】刀身と柄の間に装着する金具。
柄を握る手の保護と刀の重心を調節する役割がある。

【目貫(めぬき)】刀身が柄から抜けるのを防ぐ留め金。
手の位置の固定(手溜り)や滑り止めにも欠かせない。

【縁頭(ふちがしら)】
鍔を補強するため、柄の先端に装着された金具(頭(かしら))と柄口を補強するため、柄の鍔側に装着された金具(縁(ふち))を一対の意匠とし縁頭(ふちがしら)と呼ばれる。

【栗形(くりがた)】
下緒(さげお)を通すための穴がある突起。角製が多いが、装飾の施された金属製のものもある。
※下緒(さげお)…刀を腰に差した際、刀が抜け落ちないように帯に絡めて固定する紐。打刀の場合、長さは5尺(約150cm)前後。剣術流派によって異なるが、1尋(約150cm
)前後の場合が多い。

【小尻(こじり)】
鞘(さや)の下端部の破損を防ぎ、保護するために装着された金具。鐺(こじり)とも記載される。

【小柄(こづか)】
細工用の小刀、あるいはペーパーナイフなどとして用いられた小刀の柄にあたる部分。
本来は小刀が付いた実用品として打刀拵の差裏の鞘口辺りに収められたが、江戸時代には刀剣の装飾具としての芸術性が重視されるようになった。
笄(こうがい)、目貫(めぬき)と同じ意匠でつくられた場合、この三つを合わせて三所物(みところもの)という。

【笄(こうがい)】
髪の乱れを直すなど、身だしなみを整えるために用いられた小道具。
拵え(こしらえ)の鞘口辺りに設けられた櫃(ひつ)に収められた。小柄(こづか)同様、江戸時代には実用目的よりも装飾具としての芸術性が重視されるようになった。
※櫃(ひつ)…小柄櫃(こづかびつ)・笄櫃(こうがいびつ)などがあり、それぞれを鞘に収めるため、差裏に設けられた溝。
差表(さしおもて)・差裏(さしうら)…刃を上にして打刀(うちがたな)を腰に差した際、外側になる面を差おもて(さしおもて)、体側になる面を差裏(さしうら)という。

【拵え(こしらえ)】
刀身を保護し、身につけて使うのに欠かせない外装(刀装)。長寸では太刀拵・打刀拵、短寸では合口拵・腰刀拵・小さ刀拵などがある。

【鎧(よろい)】
戦闘の際に装着者の身体を矢や剣などの武器による攻撃から防護する衣類・武具のこと。重要な臓器のある胴や胸の部分を守るのが主な目的である。兜(かぶと)や他の防具とセットで用いられ、あわせて甲冑とも呼ばれる。
【兜(かぶと)】打撃・斬撃や飛来・落下物などから頭部を守るための防具。鎧(よろい)や他の具足とセットで用いられ、あわせて甲冑(かっちゅう)とも呼ばれる。

【火縄銃(ひなわじゅう)】
旧式銃のひとつ。筒の先端から黒色火薬と弾丸を込め、火皿に盛った起爆薬(口薬/くちぐすり)に火縄で点火して発射するもの。
火皿を覆う火蓋(ひぶた)という安全装置があり、点火は引き金の操作で行う。

【刀掛け】
刀を安定した状態で飾るため、あるいは一時的に保管するための道具。
一本掛け・二本掛け・三本掛けがあり、また短刀のみを飾る短刀掛けもある。

【模擬刀(もぎとう)】
日本刀を模して作成された用具のこと。模造刀とも別称されるが、厳密には銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)に規定された模造刀剣類に定義される物の一部である。
抜刀術や居合道の修練用のものから床の間の飾りまである。真剣と違い刃物ではないため、所持許可証や登録証を必要としない。

【古刀(ことう)】
文禄(ぶんろく)末年・慶長(けいちょう)初年(1596年)を境として、文禄以前に製作された刀剣類のことをいう。
【新刀(しんとう)】
文禄(ぶんろく)末年・慶長(けいちょう)初年(1596年)を境として、慶長以降に製作された刀剣類のことをいう。
【新々刀(しんしんとう)】
慶長年間(1596年~1615年)以降に製作された新刀の内、特に明和年間(1764年~1772年)以降に製作された刀剣類のことをいう。

【現代刀(げんだいとう)】
第二次世界大戦の後、昭和29年(1954年)より文化庁の製作承認を受け、日本古来の伝統的な鍛法により製作された刀剣類のことをいう。