日本美術刀剣保存協会「特別保存刀剣」鑑定書付
表 銘:薩摩国平正良 | 裏 銘:天保七年申八月 | 時 代:新々刀 |
刃 長:47.8cm | 元 幅:2.8cm | 元 重:0.72cm |
反 り:1.0cm | 先 幅:2.0cm | 先 重:0.51cm |
目釘穴:1個 | 鞘を払って: | 刀身のみ:522g |
登 録:大分県教育委員会 昭和 33 年 97 月 |
伯耆守正幸(三代正良)の長男、四代目正良の作。業物。
正良は初代が江戸時代中期の亨保頃に作刀、以下同銘五代が新々刀期の嘉永頃にかけて継承された。
とりわけ伯耆守正幸は江戸の水心子と並び称賛され、薩摩新々刀を代表する刀工として著名である。
本作の作者である四代正良は伯耆守正幸(三代正良)の長男で名を伊地知平蔵、後に緒方強平太といい、文化初年に「正国」と改銘する。
本作は地沸が激しく鎬にかかって映り気を見せ、刃縁の沸匂厚く砂流し、金筋働く、地刃ともに精良、まさに業物というべき一振である。
姿 鎬造、庵棟、鎬高めで鎬幅狭い。中鋒。
地鉄 杢目流れごころに柾気、地沸良く付き、鎬にかかって映り気あり。地鉄精良。
刃文 直刃湾れ、沸匂非常に深く、沸が激しく鎬にこぼれて島刃となる。二重刃ごころ、
砂流し、金筋働き、沸足は刃に向かって良く働く。
鋩子 先掃き掛け小丸に返る。
茎 生ぶ、差表は勝手上がり、差裏は勝手下がり鑢。剣尻。
鎺 銀無垢一重鎺