解説:
栗原信秀は越後国にて1815年(文化十二年)生まれの刀匠。元は金工師であったが、齢34歳ごろに源清磨の弟子となり、刀匠としての道に進んだ。
清磨の弟子となってからはその才能を開花させ、清磨の弟子の中でもその評価は高く、1,2を争うくらいの出来の良さと評される。刀剣要覧における新々刀上々作。
幕末の刀匠は、明治10年の廃刀令により多くが廃業を余儀なくされたが、栗原信秀はその限りにあらず、明治維新後も新政府に認められ天皇から刀剣の制作を命ぜられたり、鍛錬技術を生かし、靖国神社の御霊代の鏡を依頼されたりと栄華の道を歩んだ。
本御刀について:
地肌:地沸厚く板目肌。
刃文:大瓦乃目を主に丁子。小湾を交え躍動的に乱れる刃文。
景色:足入り、匂深く沸くつく。砂流金筋が明るくつく。
姿 :剛健なる姿で覇気横溢(はきおういつ)。
表 銘:栗原謙司信秀 | 裏 銘:文久二年十一月日 | 時 代:江戸 |
刃 長:76.0cm | 元 幅:33.1㎜ | 元 重:9.3㎜ |
反 り:2.1cm | 先 幅:24.5㎜ | 先 重:5.7㎜ |
目釘穴:2個 | 鞘を払って:1065g | 刀身のみ:959 g |
登 録:埼玉県教育委員会 |